騒音苦情の話(あるいは,僕が外に家を借りられない理由)

もうそろそろこれも笑い話にしていいころだと思うので,僕が体験したおぞましい騒音苦情の話をしようと思う.

僕は2015年だかいつだったかに,半年だけ当時の彼女と同棲していたことがある.彼女はもう少しで国に帰るのだけれど,安い家賃のところに住みたいといって場所を探していて,僕は僕でルーマニアに行くことが決まっていたけど,その間のささやかな日数を過ごせればいいな,と思い,戦後すぐに建てられたおぞましく古い壁がもうベニヤ板なんじゃないかと思うとても質素なところに住んでいました.

しかし,その日々を僕が100パーセント完璧に楽しく過ごしていたか,というと,それはNOです.

確かに,実家から本当に必要なものだけを選別して運んだことや(そういう意味で僕の自称ミニマリストとしての指向はそこから始まっていたんだろう),必要なものだけを買う(または必要なものを買うお金しかない)生活は,僕をとても健康的にしたし(おかげで10kgもやせた),いろんな人に出会えたことも,僕の中では素敵な経験だったといえるだろう.

だけれども,それが100パーセントではなかったのは,隣のお姉さん(だったと思う.反対側は普通の気のいいおっちゃん夫妻だったし,犬も飼っていたので)が,僕らが立てる生活音)に対して,僕らからすれば過敏に攻撃的になったことだ.ただし,注意してほしい.本当に生活音なのだ,例えばドライヤーとか,ドアの開閉音とか,話し声とか,そういうものである.

引っ越して5日ぐらいたったころだと思う.彼女(だと思う)は,手紙をよこした.僕の元ガールフレンドに対して人種差別的なことを書き(ヘイトスピーチ,である),僕らの経済状況に対して口出しするような(どうせ親に頼っているんだろう←頼っていない)ことを書き,僕らを徹底的に非難していた.

そして,僕はいくつかのことに驚いた.それらはすなわち,

  1. 彼女がそれを直接言わないこと(あるいは言えないこと)
  2. 匿名であったこと(しかし内容を考えれば自分に嫌疑がかかることは明白だっただろう)
  3. タイプで筆跡がわからないようにしていた(きっと指紋も拭っただろう,とても周到な感じだったから)
  4. どうやら塾だかともかく子どもから月収を必要としていそうな仕事をしていたこと(向こうの電話の声もこちらに聞こえる)
  5. 僕のフルネームを知っていたこと(漢字も含めて)
  6. その後何度か警察がうちに来て(もちろんそのために来たとは言わない),不法滞在している外国人がいないか聞いていたこと(きっと通報かなにかしたのだろう)

などなどである.僕らはとにかくいろいろと話し合った結果,警察にも行ったし(巡査は熱心に話を聞いてくれた),エ〇ブルさんにも行った(こちらも熱心に話を聞いてくれたし,大家さんとも話をしてくれた).もちろん僕らもそれなりに反省して,音をたてないようにひっそりと暮らした.

でも,何よりも怖いのは,そういう人がまさに隣に住んでいた,ということだ.匿名性を借りれば,なんでもいえてしまう人.外国人だからという理由で差別をする人.そしてそういう人が,子供と接しているということ.その事実,そういう人の存在,そのものである

アドラー風に言えば,他人の課題に土足で踏み込む人,交友の課題を無下にしている人,そういうことになるだろう.ソシオパス,だったのかもしれない.みなさんはいやいや,と言われるかもしれない.でも,あの手紙を読めば誰だって,この人は危ない,と思うだろう.そういう人が,確かにこの世にはいるのだ.そういう人と社会を作っている,と一緒くたにされるのを,ちょっと遠慮したくなるぐらいに.

僕はとにかく,次は壁の厚いところに住もうと思う.僕が今でも外に家を低家賃で借りるのが怖いのは,そういうトラウマがあるからなのだ.

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中