カルトのリーダーについての覚書

「典型的なプロファイルはこんな具合です.カルトのリーダーは,自分以外の人間には決して従わない.つねに,百パーセント,自分が支配者なのです.メンバーが一分一秒をどう費やすべきかも,リーダーが決定する.たとえただ時間をつぶすだけの仕事であっても,何かしら仕事を割り当てて,忙しくさせておく.自由な時間を与えると,自分の頭で考え始めてしまうからですね.

リーダーは独自の道徳観を確立します.それは純粋に自分の利益とカルトの永続のためだけに定められたものです.カルトの外に存在する法は,無視される.そしてメンバーの心には,自分の命令に従うことは道徳的に正しい行為であるという考えを植えつけます.カルトのリーダーというのは,それとなくメッセージを伝える達人なんですよ.たとえばカルト内に盗聴器を仕掛けてリーダーの発言を録音できたとしても,リーダーを告発するに足る証拠は得られない場合がほとんどです.しかしメンバーは発言に隠された指示を的確に理解します.

また,リーダーは,メンバーの思想を偏らせ,自分たちと世間という対立の構図を描きます.黒と白の対立です.カルトは正しく,カルトに所属しない者は悪であり,その全員が自分たちを破滅させたがっていると思いこませるんです.

リーダーは決して反論を許しません.そして,極端な価値観,常軌を逸した理論を提示して,メンバーが疑義をさしはさむのを待ちます.メンバーの忠誠心を試すためです.メンバーはすべてをリーダーに捧げなくてはならない.時間も,財産も」

Jeffery Deaver (2007) “The Sleeping Doll” = ジェフリー・ディーヴァー(2008)『スリーピング・ドール』文芸春秋(池田真紀子[訳]) pp.190-191

こういう人,いませんか.私の周りにも時々います.

 

 

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