孤独の価値とミニマリズムと

人間関係のミニマル化は是か非か.

先日,『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 断捨離からミニマリストへ –』の著者である佐々木典士(ささきふみお)氏の講演会にお邪魔してきた.佐々木さんは編集者で,ミニマリストに出会って人生が変わったと語る.

いくつか衝撃的な話があったので,シェアしたい.僕の私見も少し交えて.

1.人は1日に10分ぐらいモノを探している.1年で3650分=60時間モノを探している.10年で600時間=25日モノを探している.70年で,175日,モノを探していることになる.そんな人生は嫌である.スマートではない.

2.モノを減らすと,家事が簡単になる.部屋が片付く.あるべきはずのところに,モノが戻っていく(モノが少ないと,そこにないことが可視化されるから).これは一種の美的感覚,快感に繋がっている気がする.

3.夫婦の喧嘩の4分の1は収納・整理に関するもの.確かに,夫婦ではないけれども,妹が鍵がないと探してイライラしている時にはあまり近寄りたくないものです.

まぁそういうわけで,モノを減らすのはいいことなのである.上の事実を知りながらも,モノを減らさない,という結論に至るなら,その筋道を教えてほしい.といっても,僕はきっとその人とは分かり合えないだろうと思う.mノに関する観念の違いというのは,たぶんそう簡単には変えられないのだ.

さて,講演会自体はすごくよかったが,その中で少し気になったこともある.それは,佐々木さんが「人間関係を大切にするためにもモノを減らすことが必要」であると述べていたことだ.例えば,部屋がきれいなら,すぐに人を呼べるでしょう?という風に.余った時間を,人とのやり取りに使えるでしょう?というように.

しかし,残念ながら,僕は同時期に,森博嗣さんの『孤独の価値 (幻冬舎新書)』を読んでいたものだから,ちょっとここで混乱する.森さんは,言わば「人間関係のミニマル化」に成功した人だ,と思う.そういう意味で,孤独であることは,特に悪いことではない.森さん曰く(そして僕の読みがあっていれば),孤独が寂しさや悪であるように感じるのは,人と比べているからである.しかし,そもそも人と人生を比べることは,テコンドーの選手と羽子板のチャンピオンを比べることぐらいにばかげている.

たとえば,僕には残念ながら(?)友だちと呼べる人はほとんどいない.結婚披露宴とかになったら,たぶん友人席には3人ぐらいしか座ってもらえないだろうと思う.でも別に,それでいいと思っている.人と比べることをやめてしまったからだ.そもそも披露宴って見せびらかしのためでしょう.見せびらかす相手もいないなら,やらないでいいでしょう.それを別のことに使った方がいいでしょう.

そういうわけで,僕はミニマリストwannabeになって,だいぶモノを減らしてから,僕は混乱している.人間関係のミニマル化は是か非か.あるいは,人間関係ってそんなにウェットじゃなきゃダメなのかしら,と.僕は相談にも乗るし,助けてといわれたらああはいはいといってアドバイスする.困った時には助けてもらう.だからって別に,週末に街に繰り出し遊びに行くほど,どんちゃんを求めているわけでもないのだ.

 

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -
佐々木 典士
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